プロ野球という春が愛おしい

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野球がなければ、スポーツ新聞はつまらない

昔ほど、野球が好きではなくなった。昔ほど、すごい選手がいなくなったせいかもしれない。それでも私は、「プロ野球ファンである」と胸を張って名乗れるくらい野球を愛している。特に巨人が大好きだ。

昔は、開幕の日となると、お菓子や飲み物を揃えてテレビの前に正座して試合を見ていたものだ。また、巨人が日本シリーズに進出し、パリーグの優勝チームを破り、日本一になった時には、スポーツ新聞全紙を買って、記事を読みながら優勝の余韻に浸ったものである。巨人が優勝した翌日のスポーツ新聞の記事は、あらゆる文学、あらゆる映画、あらゆる演劇、あらゆる音楽の上をゆく、「感動」を私に与えてくれる。

この「感動」を求めて、私は毎年、巨人を応援しているのである。
ところが、2020年の今年は、違った。春が終わり、初夏になろうとしているのに、プロ野球は未だ開幕していないのである。(緊急事態宣言全面解除となり、6月19日に無観客試合で開幕することが決定した)
「開幕」していないから、私の心には、まだ「春」が訪れていない。プロ野球の「開幕」は、私にとって春の季語なのである。

このステイホームの期間中、プロ野球があったら、どんなに日常が満たされていたことだろう。開幕日が定かでないもんだから、スポーツ新聞はもちろん、ネットでの巨人関連の情報を見る気もおきなかった。開幕していないと言う点ではキャンプの時期も同じだが、その時は、開幕をきちんと見据え、今年の巨人の戦力を知る上で、スポーツ新聞もネットも重要かつ楽しい情報になる。しかし、今は、「開幕」=「目標」がない状態なので、チームのことを語られても、ちっとも面白くないのである。

巨人軍・坂本勇人選手の2つの記録の崩壊

今年は、巨人のある選手にとっては、重要なシーズンであった。坂本勇人選手である。1988年12月14日生まれの坂本は、今シーズン、大記録がかかっていた。それは、「2000本安打の達成」と「2000本安打の最年少記録の達成」であった。
昨シーズン終了時点で、坂本選手は1884安打を打っていた。残り116本である。過去のデータから、7月頃に達成するだろうと言われていた。本年は当初、東京オリンピック・パラリンピックを7月24日より開催予定であった。この期間、プロ野球の試合を中断することから、開幕日を例年より早い3月20日にしていた。
私は、おそらく7月15日前後には、2000本安打を達成するだろうと、去年、いや一昨年から予想を立てていた。

ところが、新型コロナウイルス感染拡大という予想もしないことが起こった。それで、私の頭の中にあった(おそらく坂本選手の頭の中にもあった)すべてのスケジュールが崩れてしまった。

①2020年7月に2000本安打達成が不可能になった

②2000本安打達成の最年少記録が不可能になった

③生涯安打数で張本勲の3086本を超えるのが微妙になった

(↓表は坂本勇人選手の年度別打撃成績・日本野球機構ホームページより)

①2020年7月に2000本安打達成が不可能になった

2020年、プロ野球は何試合開催されるだろう。プロ野球の規定では最低120試合になっているようだが、今年に限ってはそんなことを言っていられない。100試合だっていい。とにかく、試合があれば、安打は打てる。
100~120試合なら、おそらく、2020年中に、2000本安打は達成できるだろう。しかし、もはや、7月達成は夢物語になってしまった。

②2000本安打達成の最年少記録が不可能になった

私が予想した、2020年7月15日前後に2000本安打を達成できたとしたら、坂本は、もう一つの偉大な記録を手にすることができた。それは、2000本安打達成の史上最年少記録である。仮に7月15日達成なら、31歳7か月1日に達成となり、それまでの榎本喜八(東京オリオンズ)が持っていた31歳7か月16日の記録を抜いていた。
プロ野球で「初」、プロ野球で「最年少」の記録である。プロ野球84年の歴史で頂点に立つ記録であるからスゴイというしかない。それが、幻に終わった。榎本の記録は、王や金田の記録のように、もう誰も抜けないのではないかと思う。

③生涯安打数で張本勲の3086本を超えるのが微妙になった

今年の試合数減少に伴う、坂本の安打数の減少は、単なる2020年今年だけの問題ではない。坂本選手の生涯の記録に関わる大問題なのである。
坂本の次の目標は、3000本。さらに、張本勲が持つ3086本である。今年、2000本安打を達成し、シーズンで160本ほど安打を打ったと仮定しよう。そうすると、今後毎年130本程度で、2028年に3086本を打つのは可能になる。つまり、8年後、坂本が40歳になる年に、張本を抜いてプロ野球界最高峰の打者になることは間違いなかった。しかし、今年、開幕が遅れたことで試合数が減少し、安打数も減り、40歳で張本を抜けるか否かも、微妙になってきた。
では、がんばって、41歳で打てばいいじゃないかと思う人もいることだろう。そんなに簡単なことではない。ケガにも、年齢にも、勝たねばならないからだ。プロ野球選手は、30代後半から40歳になるころには、一年一年が勝負だ。来シーズン、選手として野球を続けられるか否か、自分の思いだけではどうにもならない。自分の体とも相談しなくちゃいけないからだ。

そういうわけで、桜の花は散ったが、プロ野球が開幕しないことには、私に春はこない。

ああ、春よ、来い。

野球場に、来い。


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