♯341日前 日本が浅野温子という子猫を拾った1981年

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40年前の「そのまんま温子」がにゃお~

タコ星人の私は、地球人の恋人レイアと一緒に、プライムビデオで「スローなブギにしてくれ」をみた。

1981年、角川映画の作品である。監督は「八月の濡れた砂」などで知られる藤田敏八。主演は当時20歳の浅野温子。撮影当時は19歳で、一糸まとわぬシーンがあり、若く、可愛く、まぶしかった。

原作は片岡義男の「スローなブギにしてくれ」。小説は、猫好きの少女とバイク少年との物語であった。映画はバイク少年から牛丼屋でバイトしている社会人(古尾谷雅人)に設定が代わり、原作にないムスタングの男(山崎努)なども登場した。

浅野温子と言えば、「僕は死にましぇ~ん!」のセリフで有名なドラマ「101回目のプロポーズ」で、武田鉄矢が愛した【矢吹薫】役が有名。工事現場の道路を駆けてきたウエディングドレス姿が印象に残っている。

チャゲアスの歌う「SAY YES」がドラマにマッチしていた。彼女はこの時、30歳。実生活では22歳の時に、コピーライターの魚住勉と結婚し、既に子供もいた。

「スローなブギにしてくれ」と聞いて思い出すものは何か?

浅野は、15歳の時に、山口百恵主演の映画「エデンの海」のオーディションを受け、クラスメート役で芸能界デビューを果たした。何本かドラマや映画に出た後、「スローなブギにしてくれ」で初めて主演の座を射止めた。後年、髪をかき分け、にっと笑う、「浅野温子的表情」を発明したが、その片鱗が随所にみられ、特に最後のスナックのシーンは「そのまんま温子」と言う感じだった。

さて、「スローなブギにしてくれ」と聞いて、一番最初に心に浮かぶのは、映画でも、小説でもなく、南佳孝の歌ではないだろうか。この歌の副題に「I want you」という言葉がある。「うおんちゅ~」その出だしの部分を聴いただけで、80年代の初期の時代がいっきに広がり、懐かしい気分にさせてくれる。また、カラオケ好きな羽振りのいい男には、この「うおんちゅ~」をねちっこく歌えば、女性の受けもよく、非常に歌いがいのある曲ではないかと思う。

子猫とバイクと80年代の倦怠感

映画の話に戻る。ストーリーを口に出して説明するのは難しい。原作の小説とは異なり、少年、少女の出会いだけの映画ではないからだ。

浅野が演じている女子高生のさち乃が街で子猫を拾うところから映画は始まる。すぐに場面が変わり、第三京浜を走る白いムスタングの助手席に浅野が乗っている。運転している男は山崎努。さち乃は男に拾われたのだ。黒サングラスの男はこんな小娘に興味はないと言う雰囲気で運転しているのだが、急にさち乃の太腿を触りだし、意味不明のちょっとわからない男だ。さらに、後ろから来たバイクを前に行かせない「進路妨害」の煽り運転をし、得意顔になったりもしている。さち乃が「危ない」と、咎めると気に食わなくなったのか、さち乃が抱えていた小猫を窓から放り投げ、さち乃も車から放り出して去っていった。そのさち乃を助けたのはバイクでやってきた古尾谷雅人演じるゴローだった。

こうした出会いが映画の最初にあり、浅野のさち乃、古尾谷のゴロー、山崎のムスタング男の3人を中心に、ドラマは展開する。2時間ちょっとの作品であった。1980年代初頭の映画の、けだるさ、倦怠感と乾いた空気感が良かった。

いい役者が匂うほど出演していた

昔の映画は出演している俳優さんを見るのも楽しい。あの人は若かったなとか、この人は死んじゃったなとか、映画をみながらいろんな思いが交差していた。
若かったのは、スナック客の一人、岸部一徳。セリフがまだそんなにうまくなく、髪の毛も長かった。役者と言うより、音楽バンドのベーシストそのものだった。(他に、奥田瑛二も居酒屋の店主役で出演していたが、映画冒頭のキャスト紹介に、奥田の名前はない)

死んじゃったのは、原田芳雄、室田日出夫、すずきひろみつ、伊丹十三。ゴローを演じた古尾谷雅人もそうだ。古尾谷は2003年3月25日に自殺し、45歳で亡くなっている。デビュー当時は、日活ロマンポルノの役者だった。1980年に一般映画で初主演。それが医大生たちの青春映画の金字塔「ヒポクラテスたち」(監督:大森和樹)。内藤剛志や斉藤洋介と共に演技の俊逸さが話題になった。身長188cm。海外での活躍も期待されたスケールの大きな役者だった。

また、この映画には、芥川賞作家の高橋三千綱が出演していた。映画冒頭のキャスト紹介で名前を見つけた。スナック客の役かと思ってみていたら、なんと「その役を作家先生にやらせるのか!」と驚いちゃうくらい大胆なキャスティングだった。

もちろん角川映画なので、角川春樹もどこかに登場していた。

昔の映画は、ストーリーがあ―だ、こーだじゃない。街の風景、着ている服、ライフスタイル、インテリア、車などを見るだけでも楽しく、時にはストーリーより印象に残ることがある。

この映画も、そうだ。携帯もパソコンもない時代に、当時先端を行くタイプライターで女が仕事をするシーンがあった。また、山崎が男2人女1人で共同生活をしている住宅は、東京都福生にある旧米軍ハウス。タコ星人の私は、村上龍の「限りなく透明に近いブルー」(1976年)で、この福生の旧米軍住宅を知った記憶がある。

一番印象に残ったのは、そこかい!

見終わった後、料理を作り、レイアをもてなした。料理はよくつくる。今日はチンジャオロースとポテトサラダ。そして、なすびと豆腐とブロッコリーのみそ汁。ビールで乾杯し、ふたりで映画の感想を話した。レイアが一番印象に残っていたのは・・・迷いもなく、彼女はこう答えた。

「ムスタング男の白いブリーフ」

実は、私もそうだった。山崎努演じるムスタングの男が帰宅し、シャワーを浴びる前に、オープンな脱衣所でパンツ一丁になった。そのシーンが妙に心に残っている。

タコ星人である私も70代から80年代初頭は、白ブリーフをはいていた。値段は忘れたが、3枚一組のものをよく買っていた。これも当時のファッションであった。昔の映画は、若い世代には新鮮で、中年以上の世代にはノスタルジーになる。

映画で昔の自分が蘇る。それも、楽しみである。


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