競馬はギャンブルか投資か

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2007年5月29日「東京優駿」の夢と幻と悔み

私の趣味は、競馬である。と言っても、競馬に詳しくはない。私は単に馬券を買うことが好きなだけかもしれない。(当ブログの写真は全てイメージです。実際のレースや出場馬とは無関係。予めご了承ください)

私が初めて競馬を身近に感じたのは、1970年にヒットしたソルティ・シュガーの「走れコータロー」だった。それから1970年代に、ハイセイコー、タケホープ、テンポイントなどの名馬を知った。
その後、30年ばかり競馬への関心が薄れ、近年、知っている騎手は、とんねるずの番組に時折登場していた「武豊」だけという時期もあった。再び、競馬に注目し始めたのは、ディープインパクトが2006年12月24日の有馬記念を最後に引退した翌年からだった。

ディープインパクトの活躍があり、我々タコ星人の「CSK(地球征服会議)商会」小樽支部においても、競馬や馬券購入の話題が増えてきていた。私も影響されて、2007年5月29日の第74回東京優駿、すなわち日本ダービーの馬券を購入することにした。全て3連単で、前夜に何十通りも馬券のプランを考えた。馬の血統は知らない。過去のレース展開も知らない。得意な馬場も知らない。馬の戦績も、騎手の力量も知らない。そんな私の馬券の決め手は・・・

①名前を一番知っている「武豊」を中心に考えた。
②圧倒的な1番人気の「フサイチホウオー」を中心に考えた。
③牡馬だらけのダービーに牝馬が出走するというのでエールを送る意味を込めて「ウオッカ」も馬券に少しは絡めることにした。

こうして、40通りくらいの馬券プランを考えた。1枚100円で40枚。これもいいだろうが、ダービーだし、せっかく購入するのだから、ちょっと奮発して、大きく当てたいという思いが募ってきた。そこで10通りにしぼり、1枚2,000円~3,000円の馬券を購入することに決めた。ダービー当日の深夜、ベッドで横になり、照明を消しても、3連単の組み合わせを考えていた。暗闇でメモしては消して、ボツの紙をベッドの下に投げ捨てた。最後に、これはいいと思った馬番の数字を書いたメモを枕の下に置いて眠りに陥った。「あたりますように」と頭の中で手を合わせながら。

3-16-14を私は永遠に忘れない

当日は小樽駅から列車に乗り、札幌へ向かった。平磯トンネルを越えると海が見える。タコ星人は海を見ると妙な高揚感に陥る。男がナイスバディーな女にそそられるときの気持ちに似ているし、狼男が満月の光に照らされた時の吠え叫びたくなるような感情にも近い。タコ星人の細胞が発情するというか、暴走しだすというか、海を見ると抑えきれないものがこみあげてくるのだ。しかし、ダービー馬券の威力は凄い。車窓いっぱいに海の景色が流れても、タコ星人の本能がつけこむ隙がないほど、私は、馬券のことで身も頭もいっぱいになっていた。

狸小路の場外馬券売り場で、私は列車の中で思いついた馬券プランを加えて、1枚2,000~3,000円を15通り買った。出費は、約40,000円。結構な金額になった。これは、超特別なことで、それ以降、1レースにつき100円しか注ぎ込んでいないので、大盤振る舞いもいいとこだった。

15枚のうち、10枚はフサイチホウオーを1位、2位にした馬券。ダントツの人気だから 15番がらみは堅いだろう。これに、武豊の1番、ヴィクトリーの17番、アドマイヤオーラの14番、ご祝儀でウオッカの3番を絡ませてみた。あとは、ゴールデンダリアの4番、ローレルゲレイロの13番。福永のアサクサキングスの16番。このアサクサキングスはスポーツ新聞か、ネットか、情報源は忘れたが、当時たまたま目についた戦績表を見ていたら、デビュー4戦で3勝もしていたのだ。他の馬たちも同等かそれ以上の戦績だったのかもしれないが、当時はまだ過去の成績を調べる習慣が私にはなかった。

結果は、1着ウオッカ、2着アサクサキングス、3着アドマイヤオーラだった。3-16-14で、3連単2,155,760円。

購入した馬券に何度も目を通しても3-16-14はなかった。その馬名に覚えはあったが、3-16-14はなかった。なかった。なかった。(泣)タコ星人と言えども、悔しさは人間と同じだ。いや、ネチネチと未練たらしくいつまでも後悔する様は人間よりも闇っぽいかもしれない。
小樽に戻る。東雲町の家に着く。「あああっ」と嘆息を吐き出しながら、私はベッドに飛び込んだ。慰めてもらうかのように枕にぎゅっ、ぎゅっとすがりついた。その時だった。枕の下にまわした手が小さな紙に触れた。それは寝入る間際に、暗闇で書いたメモだった。汚い字で、なぐり書きしてあった。

3-16-14 3,000円かけろ!(もちろん、タコ星語で)

枕の下には宝が眠っている

私は、「あああっ、あああっ」と、悔しがった。もう、レースが終わっているのに、今から、このメモ用紙を持って札幌の馬券売り場へ飛んでいきたかった。「夜中の3時にこれを書いたんです。私は当てていたんですよ。この紙が証明です。これで、当てたことにしてくれませんか。嘘じゃないです。レースが始まる12時間以上も前に、当てていたんです! 本当です。頼むから、この紙で、私に、私に、64,672,800円を!あああっ、ああああああっ、ああああああああああああっ」私は嘆きと後悔の念をいつまでもいつまでも止めることができなかった。

深夜の闇の中で考えた時、ウオッカのお義理の3位をやめ、大きく当てるなら1位にしなくちゃと思って、ウオッカ1位のプランを考えた。そして2位に持ってくるなら、私の中でなぜか2位のイメージがあった福永とアサクサキングスのコンビ。そして、アドマイヤの名前の付く馬は3位、と勝手に決めた。すべて根拠がない、計画性もない馬券プランであったが、私は、当たったのだ。購入はしなかったが、当たったのだ。64,672,800円をもらえなかったが、当たったのだ! 当たったのだ!

さて、ここまで話してきたところで、皆様にお伝えしたい教訓が2つある。

① 朝起きたら、枕の下を見ろ
② 【ギャンブル】か【投資】か、競馬の目的を考えろ

①については、そういうことだ。今も13年前を振り返って、なぜあの朝、枕の下を確認しなかったのか不思議でならない。後悔している。ベッドの下に転がっていたボツのメモは、起きた時にごみ入れに片づけた。その時、なぜ枕の下のメモに気づかなかったのか。思い出すたびに、今でも悔しさがネチネチとこみあげてくる。

②は、本日の本題である。以下に説明しよう。

【ギャンブル】か【投資】か、競馬の目的を考えろ

競馬の馬券購入者には【ギャンブル】派と【投資】派がいる。あなたは、どちらだろうか。

私は【ギャンブル】としての競馬を楽しんでいる派だ。当然儲けたいが、馬券を買うことを楽しんでいる。だから、馬券売り場へ行けば、100円ずつでも、全レースを買ってしまう。3連単、3連複、枠連、ワイドが主で、単勝、複勝、馬連、馬単は買わない。日曜日だけ馬券を買うとして、3競馬場開催の場合、各12レースあるから1日3,600円と決めている。1ヶ月4週と考えれば、14,400円の出費である。私は儲けたいと思っているが、その一方で、競馬に1ヶ月15,000円近く負けることを最初から想定している。小遣いで収まる金額であり、家計にも生活にも影響はない。たまに当てれば、出費も抑えられる。

ところが、競馬を【投資】として位置付けた場合、私のようなリスクだらけの馬券買いはもってのほかだろう。【投資】派の場合、1ヶ月、競馬に15,000円まで使用できると考える。これは【ギャンブル】派と同じだが、金の捉え方、掛け方が全く違う。「馬券を全レース買うことで100円×3競馬場×12レース×4週あるから14,400円の出費がある」ではなく、「今ある15,000円をどのように増やすか」を考えるのが【投資】派の競馬なのではないかと思っている。

データーを徹底的に調べて、C・ルメール、川田の3位以内が堅いレースがあったとすれば、ワイドで1.2倍程度のリターンが少ない馬券であったとしても、15,000円を一度に買えば、配当金は18,000円で+3,000円を得ることができる。

つまり、【投資】派の競馬は、やみくもに全レースを買うような、偶発性頼みのばかげたリスクは起こさない。競馬を楽しむという、無駄な嗜好も、遊びの感覚も、馬や騎手への思い入れも徹底的に排除する。リスクを最小限に抑え、データ分析、情報分析によって、確実にリターンが見込める鉄板の馬券プランを見つけ、稼ぐ競馬を実践することである。

皆さんは競馬をどのようにとらえているだろうか。競馬で儲けたいと思ったら、競馬を楽しむことを真っ先にやめること。これができる人は【投資】競馬に向いているかも知れない。私は、一か八かに掛けるタイプなので、【ギャンブル】競馬をこれからも続けていくつもり。菜七子が出ていたらそれだけで負けてもいいから買ってしまう。思い入れという感情で馬券購入をするので【投資】競馬には向いていないのである。

また、券売機で馬券を購入するのが好きなので、ネットで申し込むような馬券買いはしない。だから、「プロ野球がない日」と同じように私には3月1週目から「競馬のない日」がずっと続いている。
馬券を券売機で買える日が来たら、喜びのあまり、財布のひもが緩みそうで怖い。


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